自由吟
借り物で生きて借りたい物はなし
世俗的価値は無意味と二十歳ころ
癌なのかカルテの霧がまだ晴れぬ
節くれを見せて真っ直ぐ割れる竹
流には乗るなと書いた父の遺書
土地に生きイミテーションのない祭り
課題吟
「
(恩)
口止めをされた恩ならたんとある」
「
(恩)
貸し借りの恩義肴に縄暖簾」
「
(偲ぶ)
茨道しのぶ亡母のよっこらしょ」 (ラ賞)
「
(空)
茜雲 父母は仲良くしてますか」
「
(広い)
広いのかほんに狭いかこの地球」
「
(ドラマ)
石橋を叩くドラマはもう見ない」