自由吟
弾けたい思い抑えた疲労感
酒酌めば心残りが語り出す
人間で行きつ戻りつする理性
時計など持たずに生きる日の豊か
一本で足りぬと妻は角増やす
毒舌をオブラートにと飴舐める
課題吟
「
(咲く)
老いの身の散る日思うも咲き続け」
「
(色分け)
好き嫌い分けて自分が残らない」
「
(腕)
育て終えいまは静かな力瘤」
「
(野菜)
惚け防止野菜の名前言わされる」
「
(野菜)
軒先に吊すタマネギ自信作」
「
(雑)
いつ来ても他人顔する雑居ビル」
「
(出る)
出席と返事したから風邪引けぬ」